石膏型の基礎知識

 

石膏についての詳しい説明は サンエス石膏様をご覧ください。

品質の良い型つくりのポイント

焼石膏の管理

焼石膏粉末が吸湿しないように湿度に注意して冷暗所で保管します。半年を経過したものは変質している可能性があるので使わないようにします。

撹拌水の管理

清水を使います。水温は通年で17℃前後をキープすることが大切です。

混水率について

石膏メーカーのデータをもとに正確に計量します。計量した水に石膏を投入して混ぜます。

離形について

親型に石膏を流す際には加里石鹸を使った離型処理を行います。

加里石鹸について

加里石鹸は水に対して75%で計量、希釈して使います。刷毛を使って親型石膏の表面の磨きとスポンジでのふき取りを繰り返します。表面に艶がでてくれば離型処理完了です。表面に水分が残っていると型が部分的に脆くなるので、しっかり水分を除去します。

「吸われ」トラブルについて

「吸われ」とは流し込んだ石膏の水分だけが親型に吸われ、親型に石膏成分が張り付いてしまう現象です。

撹拌作業について

石膏と水がしっかり混ざるように撹拌します。撹拌が不足すると石膏が沈殿して型が割れやすくなります。最初は機械撹拌で行いますが、石膏の状態を確認するために最後は手撹拌で調整します。

撹拌時間の管理

品種、季節により硬化開始時間は異なるので、流し込みを行う前にテスト撹拌を行い撹拌時間を確認します。

流し込みのタイミング

硬化するタイミングを判断して最適な濃度で流し込みます。タイミングは親型の数や形状、大きさ、また石膏の状態により異なります。流し込みを開始してから石膏量によりますが、1分以内に流し終わるように作業します。

石膏の流し方

気泡を巻き込まないように、静かに親型の下から上へ石膏が流れるように流し込みます。型の上から下にかぶるように流し込むと、気泡を巻き込む原因となりますので注意します。

気泡の除去について

石膏を真空撹拌して気泡を除去します。細かい形状の場合には流し込み時に筆を使って細部にまで石膏を入れることで除去します。

脱型のタイミング

流し込んだ石膏は硬化する際に膨張、発熱しますのでそのタイミングを見計らって脱型します。親型の形状によっては膨張で破損する可能性がありますので脱型のタイミングには特に注意します。

脱型作業について

脱型しにくい場合は型の合わせ目にエアーガンで空気を送り込んだり、親型に振動を与えて脱型します。

反り防止について

脱型後の石膏型は形状により熱膨張で反ってくることもあるので、クランプを使って締め付けます。

型の硬化について

脱型直後は石膏が安定していないので4時間ほど常温で安定させます。その後乾燥に移ります。

型の乾燥について

一般的には自然乾燥が型にとって最適とされています。風通しの良い室内で乾燥させます。乾燥機を使用する場合は機内温度45度位が最適です。時間は型形状や型の厚みなどによって異なりますが、石膏中の水分が20%以下にならないように管理します。